995 From: [ 近藤和彦 ]
>Natsuさま、姫路は来ていただけたんですね。ありがとうございました。
さっそく質問の『リード』についてですが、英語で書けば『lead』で文字通り『導く』とか『先頭に立って引っ張る』とかいう意味です。つまりリードアルトというのはサックスセクションの中で大抵は和音のトップの音、一番高い音を吹くことが多くハーモニーよりもメロディを吹く、つまり輪郭を出す役なんですね。そうするとメロディの細かい吹き方や息継ぎ場所やピッチなんかをセクションの中で決める役になるわけです。ビッグバンドは同じようにトロンボーンやトランペットセクションも1stがリードになるわけです。セクションごとに動く時は各リードがそれぞれ細かいことを決める、というか導くのですがホーン全体で動くとき、もしくはバンド全体ではトランペットのリードが全体のリードになるんです。リードトランペットの吹き方をサックスとトロンボーンのリードが聞いてそれをそのセクションの周りの人に伝えるんです。だから昔のビッグバンドはリードトランペットが一番ギャラが高かったんですよ。その次がリードアルト。残念ながら今はそんなギャラの格差を付けるバンドはありませんが(笑)。あとはソロのバッキングを入れるタイミングやバッキングのフレーズ自体を決めるのもリードの役目だったりすることもあります。
面白いのは、ビッグバンドのセクションはその中で高い音を吹く人が真ん中にいて順番に外側に広がるように座るので当然一番前列のサックスの真ん中のリードアルトの位置だとホーンセクション全体の前の真ん中にいることになり常に全体が聞こえている位置なんです。だから常に全体を把握しやすいんです。みんなからも一番見やすい位置なので曲の最後の音を止めたりすることもよくありますね。同じようにリードトランペットはホーンの一番後ろの上のど真ん中で吹くので当然全体にも聞こえやすいわけです。
リードは大変な役ですが一番面白いかもしれません。リーダーとの信頼関係にもよりますがとてもやりがいのあるポジションですね。
おおよそおわかりいただけましたでしょうか?
また聞きに来てくださいね。
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