小曽根さんとDuo!

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3月20日の神奈川県立音楽堂での小曽根真さんとのコンサート、本当に充実した時間でした。

ホールは年月は感じますが、スタッフの皆さんが長年愛情を注がれていることを感じる素晴らしい空間、その空気感だけで、あぁいいホールだなぁと思いましたが、案の定素晴らしい響き。そして昨年新しくされたピアノもとてもいい音で、そのいいピアノを世界の小曽根さんが弾くのを背にしているのですから、これほど贅沢な事はありません。いわば超特等席で小曽根さんのピアノを聴けるのです。聴けるというより身体で浴びる、という方がいい状態でした。

小曽根さんとホールのコンサートでDuoをやらせていただくのは2013年の水戸以来、3年ぶり。3年経って自分が少しは変わっただろうか、などというつまらない邪念があるとどうせろくなことにはならないと思い、今その時に自分ができる小曽根さんとの音楽での会話を楽しむことだけを考えて望みました。力が入った演奏というのは上手くいったと思っても結局は自分の満足感だけで聞いてるかたの心に届くものではないんじゃないか、と感じるようになり、できるだけリラックスして、そしてその瞬間の音楽を集中して聴きそれに応じる、決めてかかったり無理矢理何かを証明するような演奏をできるだけしないようにと心がけるようになりました。

1部は小曽根さんのソロで、Times like these, Spring is here, Prelude Op.28-4 – Insensatez, Lullaby for Rabbit, No Siesta 。中でも圧巻は「独りNoSiesta」!ビッグバンドでみんな血まみれになって演奏する曲を独りでやって、ビッグバンドでやるのと同じくらい、いやそれ以上に聴いてる側を興奮させる、いやはや素晴らしかった!そんなのやられた後に登場しにくいですよ…

2部は1曲目から参加させていただきました。いつものように(!?)僕は客席から吹きながらの登場でまずは小曽根さんのBouncing In My New Shoes。CDではクリスチャンマクブライドとジェフワッツの超重量級トリオで演奏していますが、実際にやってみると小曽根さんを含めあの人たちの凄さを再認識しました。一曲目からめちゃくちゃ楽しく自由な展開。僕は何度も脱線転覆しましたが小曽根さんがうまいことまるで転覆してないようにフォローしてくださるので安心です。(^_^)/楽しくてしょうがないのです。
2曲目はこれまた小曽根さんのSol Azteca。CDではゲイリーバートンさんと演奏してるラテン系な曲で、聴いてると楽しいのですがやってみると難しい…譜面をいただいたのは4日前でしたが前日、前々日は全く練習する時間がありませんでしたので焦りました。ラテンだと前のめりになってしまう自分の癖を小曽根さんのピアノが襟を捕まえてくれてなんとか完走!
3曲目は僕が今回のために書いた、飼ってる犬を題材にしたLittle Pale Brownieという新曲。前回のデュオの時もそうでしたが、オリジナルを書いていくと、ここのコードはこんなのやこんなのの方がサウンドが広がるよ、とかこういう場合はこうしたらとか、このメロディーのこの音はこうするほうが生きる、とか、もうめちゃくちゃ勉強になるのです。授業受けてるみたい。こんな授業を毎週受けられたらどんなにいいだろうと痛感しました。国立音大の学生さんが本当に羨ましい…そして自分で書いておいてソロがちょっと面倒なチェンジで自分があたふたしてるのに、小曽根さんのソロの素晴らしさと言ったら。
4曲目は3年前のデュオの時に小曽根さんが書き下ろした、まだタイトルも決まってなく、レコーディングもされていないソプラノサックスを使ったバラード。この曲がいいんです。切なさと怪しさと安堵感が入り交じる、素晴らしい曲です。でもソプラノでの繊細なバラードはピッチのコントロールがとても難しいのでとても気を遣うのですが、ホールとピアノの響きに助けられてとても気持ちよかったです。
で、最後の曲、かと思いきや、「ちょっとここで予定になかったけどサックスソロやって」という無茶振り。出ました、小曽根流サプライズ。。。バラードの後でしたがLush Lifeをテーマだけ吹いたら、なんだ短いよ、もっとやって、とダメ出し。こういうのは聞き足りないくらいがいいのです。フフフ。。。(^-^)
そして本編最後は小曽根さんのPopcorn Explosion。前にクインテットやセクステットでもやったことがあったのですが、デュオだともう全て自由。途中は何やってるのかわからないほどの自由さ。終われてよかったです…
そしてアンコールは、なんとボーカルのペコさんこと、伊藤君子さんが聴きにいらしていて、急遽ステージに上がっていただいてWhat A Wonderful Worldを津軽弁で。これがもの凄かった!たぶん本日1番の満塁ホームラン。これを聴けたことは本当に幸せでした。涙出そうになるのを我慢するのが大変でした。ペコさんの歌は真横で聴いていると地面にしっかり着いた足元からぐわ〜っと湧き上がるような声で、身体を全て使って響かせているのがわかります。これ、楽器もぜったい同じです。小さな声でもグッとエネルギーが入っている。どんな場面でどんな音量でもちゃんとお腹の圧力がかかっている、同じなんですよね。本当に素晴らしかったです。ペコさん、ありがとうございました‼︎

他にもボディ&ソウルのママや55レコードの五野さん、会えなかったけどベースの佐藤慎一くんなども来てくださいました。
慎ちゃんからは終わったあととても嬉しいメッセージをいただき、長く一緒に演奏している仲間がこうして聴きにきてくれそして嬉しい言葉をかけてくれることに、自分はとても幸せだと改め思いました。

ペコさん、京子ママ、五野さん、慎ちゃん、そして聴きに来てくださった本当にたくさんのお客様に心から感謝いたします。そして素晴らしい会館のスタッフの皆様、ゆりこさん、小曽根さんのお母様、はなちゃん、小倉さん、妻と福岡から聴きに来てくださった妻のお母様、そしてこの大きな素晴らしいチャンスをくださりまた今回も沢山の事を音楽を通して教えてくださった小曽根さん、本当にありがとうございました。
またやりたいなぁ。
でもそれまでに課題は沢山あります。またのチャンスを目標に気持ちも新たに頑張ります。

写真はほとんど撮れなかったのですが、本番3分前に演奏する曲を考える世界のマーちゃんとそれを冷ややか催促する小倉商会代表。来てくださったペコさん、京子ママ、そして怪しい姿で打上げに向かう小曽根ママさん!

2016年03月24日 木曜日 3:26 | "kazkondo"

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