Paquito D’Rivera

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BlueNoteにPaquito D’Rivera氏を聴きにいった。若い頃ちょこっとだけ聴いた時期があったが、思うところあってずっと避けてきた。もちろんたまたま耳にすることも氏の曲を演奏するのに資料として聴くこともあったが、CDを買ったりする事はここ20年以上なかったし、生演奏を聴きに行ったのも旧店舗のBNの頃、1990年頃だったかなぁ、まぁこれも25年くらい前のこと、いや2006年のNYのIAJEでオーケストラとモーツァルトをやったのを聴いたことがあったか。僕はどちらかというと氏のクラリネットが好きだった。
自分が50歳を過ぎ、いろいろな事を整理したり自分の進もうとする方向がだんだんと見え始め、周りからの評価や意見にあまり翻弄されることなく冷静に耳を傾けることが徐々に出来はじめたような気がする今、なんとなく肩の荷物が少し軽くなってしがらみやら嫉妬心なんかが前よりも楽になったと感じられる今、改めて氏を聴いてみたくなったのである。しかもグリグリのラテンジャズではなくブラジルのトリオと一緒だというのも魅力的だった。
直前に、もしかしたら、と思って小曽根さんに連絡をしてみたらちょうど行くところだということで、ご一緒させていただいた。
いやはや、さすがの演奏だった。音楽も人間もとても明るいのだが、常に品がある。自分の聞き方が変わったのかパキートさんがお年を召されたのか、本当は昔からそうだったのか、、、とにかく今は品を感じる。アルトに関しては自分の嗜好もあるので全てに憧れるというわけではなかったが、それでも音楽としてのテクニックもフレーズも歌も本当に素晴しい。クラリネットはもう見事というほかはない。いや、クラリネットは心から感動した。明るさとその奥に聞こえる切なさ。心に沁みわたった。
アンコールで来られていた貞夫さんを紹介され、そしてサプライズで小曽根さんを引っ張ってステージへ。引っ張っていかれる時にパキートさんが小曽根さんに伝えた曲ではないモーツァルトが始まった。いや〜、本当に素晴しかった!
お二人の音楽に対する深さと楽しさと余裕とユーモア、そしてその奥にある今まで積み上げて来られたそれぞれの努力と経験、ほんとに素晴しい演奏だった。思わず熱いものがこみ上げてきた。小曽根さんは若い頃パキートさんのバンドで働いていた事があるそうだが、やはり大きな影響を受けたに違いない。常に聴いている方全てを楽しませ満足させることを大切にされている小曽根さんの演奏の原点はもしかしたらパキートさんの影響が大きいのかもしれない、とお二人の演奏を聴きながら感じた。
聴きに行って本当によかった!

2014年10月06日 月曜日 23:30 | "kazkondo"

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