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今年もまたNYからVanguard Jazz Orchestraの皆さんが来日しました。
僕が最も影響を受け最も尊敬する師匠Dick Oatts氏が長年リードアルトを務めるバンドです。
今僕がこうしてなんとか楽器でお仕事できているのはこの方にレッスンを受けたお陰と言っても過言ではありません。

今回はその師匠が仕事の都合でライブ当日にしか来日できないということで、当日のリハーサルともしも天候などで飛行機が遅れたり飛ばなかった時のためのスタンバイ要員として師匠のトラ(代役)を頼まれました。
そうです、リハーサルとはいえあのバンドの中で吹いてしまいました!
いつものレパートリーはもちろん彼らはリハをやる必要はないのですが今回は新曲(というか昔Thad Jonesが書いたけれどやっていなかった曲らしいですが)が2、3曲あり、サウンドチェックとそれらの曲、それと今回はTpセクションもリードを含め2人トラだったのでTpセクションがやっておきたい曲を部分的にやりました。
ひとりひとりのマイクチェックのあとは我々日本のバンドでもやっているようにセクションだけでバランスをとるためのチェックを。これが楽しかった。VJOのサックスセクションの中で音を出せるんです!
リハトラとはいえフルートもソプラノも容赦なく出てきますし新曲のサックスソリとか木管ソリとか、、、
そして多分僕のため、僕がどういうプレイをするのかをみるためだと思いますが、というか思い出に1曲どうぞ的かな?普段Dick OattsフィーチャーのレパートリーのAlone Togetherのソロパートを吹かせてもらいました!
いやぁ、リハだからあまり緊張はしませんでしたが、楽しかったな。
CDなどで聴いてる時はよくわからなかったけど実際はソロのチェンジがむちゃくちゃ難しくリハーモナイズされていまして結構大体な感じでしかできませんでしたが、なんというか、見えるというか聴こえるというか。
楽しかった!リハが終わってピアノのMichael Weissさんに「あのチェンジすごく難しいのによく吹いていたよ。」と言われ嬉しかったです。ピアニストに言われると嬉しいですね。それとやはりソロを吹くと他のメンバーも少し安心するようでなんとなく空気が変わるのを感じました。

あいにく僕の譜面の最後のページが無くて最後の最後で途中で終わってしまいました。

ソロじゃなくアンサンブルの部分でも、やはりこの”見えるというか聴こえるというか”な感じが常にあり、これがとても大切なんだと思いました。
音量感や音色、そしてタイム感、とても勉強になりました。
たった2時間の単なるリハでしたが、本当に素晴らしい経験をさせてもらいました。
チャンスをくれた宮嶋みぎわさん、リーダーのダグラスさん、ありがとうございました。

本番前には無事師匠も空港から直接ですが到着し、お役御免となって、同じくTpのTerell Staffordのトラでスタンバイしていた岡崎好朗くんとお酒飲みながら本番の演奏を楽しませていただきました。
酒飲んで聴くのは楽しいけど、でもやっぱり演奏したかったな。

それと、以前Duke Ellington Orchにトラで参加したときも思ったのですが、昔から使っているらしきぼろぼろの譜面にワクワクドキドキしますね。もしかしてサド=メルの頃からの譜面?なんてのもあるし。

子どもの頃からの憧れのバンドに参加してレコードやCDで聴いていた曲の本物の譜面をそのバンドで吹けるなんて!だって今目の前にある譜面はサド=メルの頃からバンガードで使われ、たくさんのジャズフェスやコンサートで使われ、あんな人やこんな人も吹いた譜面なんですから。そりゃ興奮します。なんてことを思っていて出遅れたり間違えたりしてしまいました。。。

翌日はオフということで、昼は遠慮して夜になってからコンタクトをとり宿泊しているホテルで師匠とディナーをとりながらいろいろと聞きたかったことを質問攻めにしてきました。いえ、、、ほんとは、ひとつ聞くとそれについてドバーっとたくさんのお話をしていただけるので、ありがたい説教を聞きに行ったような感覚です。
音楽にはとても真面目な人なので、気軽にYeah~~~!なんて感じじゃないんですよね。
でもそれは僕にとってはありがたいと思っています。やはり師弟関係というのはある程度の厳しさがあるほうが本物なんじゃないかと思っていますので。
もちろん普通に会話もHugもしますが、他の外人プレイヤーの知り合いとはなんだか違うのです。
嫌われてるだけだったりして。。。

あ〜こんなバンドで仕事したい、あ〜こんな風に吹きたい、と、幾つになってもミーハーな数日間でした。

 

 

2011年12月18日 日曜日 3:57 | "kazkondo"

Comments (2)

  • "kayokayo" says...

    ブログを読んでいるだけで涙が滲んでしまいました。
    私達には分からない、素晴らしい経験をされたんですね。
    Alone Togetherのソロパート聴きたかったし、Michael Weissさんのお褒めの言葉のお話や、Dick Oatts師匠の厳しさも素敵です。

    >今目の前にある譜面はサド=メルの頃からバンガードで使われ、たくさんのジャズフェスやコンサートで使われ、あんな人やこんな人も吹いた譜面なんですから

    音楽に関係ない日々を送っている私にも、この感覚は分かりますし、そんな風に感じる近藤さんの感性もまた素晴らしいですね。

    聴くだけでサド=メルに思いを馳せて感激している私には、その思いの深さは分かりませんが、益々近藤さんの音楽がJAZZを極められるんだなぁと、1ファンとして嬉しくなりました。
    何だか取り留めないコメントになってしまいすみません。

    Posted on 2011年12月18日 日曜日 21:57

  • "kazkondo" says...

    kayokayoさん、レスが大変遅くなってしまい申し訳ありません。とても貴重な体験をさせていただきました。今回のことが自分のプレイにすぐに反映されるほど音楽は甘くはないことはわかっていますが、それでもその時の感覚はなるべく忘れないようにしようと思っています。そしていつの日かまたあの椅子で自分が演奏できるよう頑張っていこうと思っています。
    近藤和彦

    Posted on 2012年01月06日 金曜日 12:13

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