NNH 東北支援キャラバン
2013年07月15日 月曜日 1:02 by "kazkondo"
小曽根 真 No Name Horsesで東北復興支援キャラバンに行ってきました。
メンバー、スタッフ、ドライバー、総勢28名で、1日3カ所、2日間で6カ所を廻るというプロジェクト。
このプロジェクトに日産自動車さんが大きなお力添えをしてくださり、メンバー移動用の大型バス、そして楽器、機材などの運搬に大型トレーラーをご用意してくださいました。なんとNoNameHoreseのロゴ入りです。それだけではなく、なんとなんとこのトレーラーは荷台が開くとステージにもなるのです!というのも日産自動車の常務で日本を代表するカーデザイナーの中村史郎さんはジャズベーシストでもあり(その腕前は趣味の範囲を遥かに超えています。小曽根さんとDuoをやるほどですから。)小曽根さんとは大の仲良し。その中村さんのお力添えです。2日目からは中村さんもツアーに参加してくださいました。
7月4日、11:00に東京駅に集合し、いざバスで最初の目的地の岩手県大槌町に向けて出発。メンバー全員でバスでの長距離移動は初めてかもしれません。予定は9時間。この日はとりあえず移動だけなのでなんだか修学旅行のようなワクワク感。乗るや否やウイスキーを呑むテナー奏者やポッキーやら煎餅やらいろいろおやつを用意しているリーダーやら。それぞれのメンバーはいろんな現場で一緒になりますが、こうしてNNHとして集うのは年に数回あるかないか。皆とても楽しみにしているので話しは尽きません。(内容は決して書けるものではありませんが。。。)
途中何度か休憩をしながら、
予定より少し時間がかかり約10時間で大槌町の「さんずろ家」さんにて夕食。なんと贅沢な海の幸をお腹いっぱいいただきました。本当に美味しかったです。夜で外は真っ暗なのですが窓の外は海らしいです。さんずろ家さんのおかみさんがめちゃ面白くていきなり元気をもらいました。この海の幸を採っていただいた地元の方々、そしてそれをこうして料理して出してくださるお店の方々、皆さんきっとそれぞれ震災で大変な思いをされたんだろうと思いながらじっくりと感謝して頂きました。そしてここからNHK仙台放送局のクルーの方々が合流してドキュメント撮影が入ります。事務所からは事前に「撮影が入るため飲み過ぎないように!」との厳重注意を。
そしてホテルに向かう途中のコンビニの駐車場でついに初対面!みな思わず”おぉ〜”と感動の声。そうです、今回最も重要な役割を果たすことになるNNHトレーラーです!自分たちのバンド名が入ったトレーラーなんて!嬉しいですね。
移動の疲れをしっかり癒し、明日からの演奏のために皆すぐに休みました。こういうところも素晴らしいチームです。それぞれが自分の役割に責任を持っている証拠ですね。
7月5日<Stage1>大槌高等学校体育館
8時過ぎにホテルを出て最初の演奏を行う大槌高校へ。今回唯一の屋内演奏。そして唯一のリハーサルができる場所です。スタッフの皆さん、そして小曽根さん自ら機材をセッティング。久しぶりのNNH、1音目で、あぁここに戻ってきた、と実感する。やはりいいバンドです。
今回のスタッフさん、音響はもちろんNNHや小曽根さんの仕事では欠かすことの出来ない伊藤さん、そして同じく照明の岡田さん。でも野外や体育館で照明。。。ということでなんと岡田さんはPAや楽器の電源の確保をメインとされるようです。実はこのツアーの直前に小曽根さんとゲイリー・バートンさんのDuoのコンサートを観に行って岡田さんとお会いした時に開口一番「俺もキャラバン行きますよ。電源やりますから」と。その言葉と勢いにもの凄く感動しました。だって岡田さんといえば舞台照明ではとても有名な方ですし、たった今観た小曽根さんのコンサートでも照明がもの凄くて感動したところでしたから。そんな人が電源のためにツアーに参加してくださるなんて。その熱い想いに、やっぱりすごいチームだと。これはまたすごいことになると思いました。もちろん体育館や夕方の時間帯のコンサートのために照明機材も用意してくださいました。PAの伊藤さん、当初は最小限のマイク数かと思っていましたが、なんとほぼ全員分のマイク。しかも時間がないのでほとんどマイクチェックしないまま即本番、なのに一瞬にして素晴らしい音を作ってくださいました。これもやはり今までNNHをずっとやってきていただいたからできるのかもしれません。信頼関係ですね。こういうところで、演奏者だけではなくスタッフ全員でひとつのファミリーを作ってきた小曽根さんの力が実感できるのです。
そして小曽根さんの楽器は生のピアノを運ぶのはやはり移動時間やスペースのことなどを含め無理なのでヤマハの デジタルピアノを持ち込みました。デジタルなので調律不要、なのですが小曽根さんのチームにはやはり欠かせない調律の曽我さん。小曽根さんが普段全幅の信頼を寄せるすごい調律師さんですが、なんと曽我さんは今回はステージや音響の設営のスタッフです。
そして曽我さんと同じく普段は小曽根さんをはじめアーティストのケアをされているヤマハの樋口さんも細かい雑務から設営まで全てを助けるスタッフとしての参加。
そして小曽根さんのマネージメントの梶本音楽事務所の岡本さん、小倉さん、千田さん、我々バンドの細かいケアからもちろん小曽根さんのマネージメント、そしてステージ設営、陰アナ、弁当や食事の手配、ゴミ集め、ありとあらゆることをやっていただきました。そしてそれら全てのスタッフの全てのアシスタントとして国立音大を出たばかりの青地くんという若者が参加してくれました。
ここに挙げたスタッフの皆さんはそれぞれが事業主であったり、お務めであったり。今回のツアーにはそれぞれ有給休暇をとっての完全なボランティアでの参加なのです。プロ中のプロがボランティアとはいえ力を合わせるとこんなスゴいことになるんですね。そんなことを目の当たりにしたら僕ら演奏者にも大きな責任がかかります。
バンドとスタッフという垣根を全く越えたチームワークがここに来て 本当に威力を発揮します。
もちろんその中心には小曽根さんの存在があり、改めて小曽根さんの人を引きつける力のスゴさを感じます。
もうひとつ、我々の移動のための大型バスとトレーラーを運転してくださるドライバーさん4名。この方々には今回初めて会うのですが、やはりみなさん素晴らしい方たちで、優しいけど筋が通っていてプロフェッショナル。最初から4人ともバンドのTシャツを着てくださり、我々のチームにすーっと入ってきてくださいました。これまた素晴らしい出会いでした。
7月5日<Stage 2>大槌町赤浜
ここはひょっこりひょうたん島のモデルとなった蓬莱島があり町の防災無線で毎日流していたテーマソングの音源も震災で全て失ってしまい、その後小曽根さんが自らの演奏でその音源を提供しました。その音源は今でも毎日流れているそうです。そのひょうたん島をバックに演奏する予定でしたが、あいにくの雨。当初は雨天の場合近くの小学校で演奏する予定でしたが、やはりどうしても蓬莱島の前で演奏しましょうということになり、雨の中カッパを着てのステージ設営。あのNNHトレーラーの出番です。とはいえ予定ではピアノとドラム、ベースだけがトレーラーの上で演奏することに。トレーラーの前にとりあえずテントを設営したけれどホーン全員は入れないのでトランペット、トロンボーンはトレーラーの上になんとか乗りサックスはテントでということになりました。そこで何気なくドラム越しにひょうたん島の写真を撮ろうとしてみたら、あれ?なんだか結構スペースがある。これはもしかしたら少しずらせば、、、トランペットとトロンボーンが一列に並べばサックスも乗れるかもしれない、と思いつき、ドラムの信ちゃんにもう少し寄れるか相談して、エリックや英二郎に横に並んでも可能か相談し、そしてそのアイデアを小曽根さんに話し、じゃとりあえず急いでやってみようという判断で急遽作戦変更。なんと綺麗に全員トレーラーの上に乗れました!思いついてよかった!でも雨の中大変な苦労をされてせっかくテントをトレーラー前に設営していただいたのにすぐにまた取り除くことになり申し訳ない思いでした。そしてサウンドチェックも無しにそのまま本番の演奏です。これがなんともやりやすい!まるで狭いクラブで演奏してるような感じ。全員の音が近くに聞こえるのです。しかしマイクチェックもしていないのにいきなり演奏してそのバランスを瞬時に作ってしまう音響の伊藤さんは凄い!
雨の中たくさんのお客様にも集まっていただきました。集まっていただいた方の楽しそうなお顔を見れて本当に嬉しかったです。
7月5日<Stage 3>釜石市民体育館跡地
赤浜から約40分の移動で釜石へ。着くや否やすぐにステージ設営、そしてお客様の椅子列べなどの準備です。開演まで30分。自然と足手まといにならないようにメンバーも少しずつお手伝い。とはいえスタッフの皆さんの驚異的な手際の良さは凄いです。終演後30分でバラし梱包して全員で移動して30分で設営、を1日3回、2日間やるなんて、この人達じゃなきゃできません。
雨は生憎止みませんでしたが、全員トレーラーでの演奏が可能になったのでこれから先もすべてトレーラー上で演奏することになりました。
実はこの場所は仮設住宅の横で、いろいろな方が来て演奏したりするらしいのですが、現実にここで生活している方がいると思うと少し申し訳ないような気がしました。しかも時間帯は夕刻で仮設住宅のもそれぞれ電気が灯り生活感がダイレクトに伝わってきます。本当に一日も早くこの仮設住宅から普通の環境で生活できるようになることを心からお祈りします。そしてそのことを我々はいつもいつまでも忘れないようにしないといけません。
雨の中たくさんの方に集まっていただきました。ありがとうございました。
そして宿泊地の気仙沼に向けて出発。さすがに皆疲れて乗るや否や皆寝落ちしました。でも気持ちのいい寝落ちですね。
約90分で気仙沼ホテル観洋着。今日の夕食は焼き肉です。しかもホルモン!そう、リーダーが大好きなホルモンです。
そしてここから日産自動車の中村さんも合流しました。たくさん食べて飲んでそしてホテルで皆で温泉に浸かりました。ありがたい事ですね。NNHで温泉に来たのも初めてでした。これぞ裸の付き合いができました。今日は部屋は相部屋。僕はあっちゃん、正典と一緒でした。これもゆっくり枕越しに話ができて楽しかったです。隣は小曽根さん、三木くん、英二郎、というなんとも濃い部屋。ずいぶん遅くまで飲んでいたようですよ。はよ寝んかい!
7月6日<Stage 1>気仙沼お魚市場
気仙沼、僕は若い頃ドラマーのバイソン片山さんのバンドに参加していたことがあります。そのバイソンさんは気仙沼出身で、何度も気仙沼には連れて行っていただきました。ですからとても身近に感じていて土地勘も少しあったので、震災の時には一番ショックを受けた地域でした。震災の年の6月だったかな、もの凄く久しぶりにバイソンさんから気仙沼でのコンサートの仕事を頼まれていて久しぶりに訪れることをめちゃくちゃ楽しみにしていました。もちろんそのコンサートは中止でした。そんなこともあり、個人的に今回のキャラバンの中で一番楽しみにしていたのがこの気仙沼でした。
全日にホテルに着いた時にバイソンさんに電話はしてありましたが、演奏よりもずいぶん前にバイソンさんのお兄さんのBさんにも再会でき、そして気仙沼のヴァンガードというジャズ喫茶 のマスター昆野さんとも再会できました。友人のお母様や知り合い何人かとも再会できました。とても嬉しかった。無事で再会できたことに感謝しました。このステージは個人的に特別な想いで演奏させていただきました。まだまだ復興には時間がかかりそうですが、頑張っていただきたいです。もちろん他の地域も同じ想いです。
気仙沼からちょっと距離がある石巻へ。予定では1時間40分でしたが結局2時間くらいの移動でした。皆疲れも溜まってきてバスの中ではほぼ全員寝てしまいます。途中目が覚めるとTVで見た建物。バスで通りかかっただけですがこうして生で見るとやはりショックを受けます。南三陸は今回は演奏しませんでしたが、次回はぜひこちらにも訪れたいです。南三陸の志津川高校、震災の時に校庭にSOSを書いた映像が何度もTVに流れた学校です、そこで音楽の教師をやられている方が知り合いなのですが、今年2月に宮城でお会いできましたが、今回はお会いできず残念でした。
7月6日<Stage 2>石巻まちなか復興マルシェ
ここはフードコートや地元の特産物、土産物などのお店が集まっている場所で、そこにNNHのトレーラーがソロソロと入っていきました。こういう場所だと一段と凄い迫力です。土曜日の昼過ぎだということもあり沢山の方に集まっていただき演奏も盛り上がりました!そして昨夜からツアーに合流してくださった、今回のトレーラーと我々の乗る大型バスを提供してくださった日産自動車の常務でカーデザイナーの中村史郎さんもバンドのTシャツを着て1曲演奏に加わっていただきました。そのプレイは素晴らしくただ者ではない、と思っていろいろお話をうかがったら、若い時は有名な方々とライブをやっていたそうです。今でももちろんプレイしているそうですが、小曽根さんとDuoをやったりするほどの腕前なんです。(写真なくてすみません)
個人的には1曲目の途中でなんか楽器がおかしいと思ったらコルクが外れてしまいましたが、紙とマイクに着いていたビニールテープで応急処置をして事なきを得ました。
7月6日<Stage 3>多賀城跡あやめ園
今回のキャラバン最終ステージは多賀城のあやめ園のあやめ祭り。お祭りの特設ステージの前にトレーラーを横付けです。お祭りですからとても沢山の方が聴いてくださいました。子供達との合同演奏もありました。日産の中村さんも先ほどとは違う曲で参加してくださいました。最後のステージにふさわしい沢山の方の声援で全6ステージ終了しました。
演奏後、お祭り会場だけあって生ビールが。撤収するスタッフさんに失礼してお先に乾杯。そして2日間のステージとなったトレーラーが閉まります。撤収も終わり全員で乾杯。そして記念撮影。あとは仙台駅から新幹線で帰るだけです。トレーラーとバスは神奈川へ。お疲れさまです。
今回は本当にスタッフの皆さんが凄かったです。設営と撤収の繰り返し、本当にお疲れさまでした。
我々演奏者はとにかく各地で集まっていただいたお客様の笑顔と我々を温かく迎いいれてくださったお気持ちにたくさんのエネルギーをいただきました。本当は我々が演奏して元気をお伝えしなければならなかったのに逆に我々がたくさん元気をいただきました。
まだまだ復興には時間がかかるようですが、決して忘れる事無くできる事をできるかぎり続けていかなければならないと思いました。
改めて震災で犠牲となってしまった方々のご冥福と、一日も早く皆さんが普通の生活ができるような復興をお祈りします。
また必ず還ってきたいです!
メンバー、スタッフ含め、同じチーム、同じこのファミリーで、近い将来、また必ず東北へ 行きましょう!
Duo !
2013年03月12日 火曜日 1:24 by "kazkondo"
先日、小曽根真さんとDuoのコンサートをやってきました。
今まで、もちろんNNHではご一緒させていただいていますし、NNHツアー中に3回かな、1曲だけのDuoをやったり、僕が演奏している所に遊びに来てくださった時にご一緒したり、あ、僕のアルバムでも1曲Duoをやっていただきました、ってのはあったのですが、Duoだけで、しかもホールコンサートなんて、初めてのことでした。
今回のお題はお互い新曲を書いてそれをやろう、ということ。普段から曲を書くのがなかなか苦労する僕は、念のため(!?)に2曲書いていきました。1曲はわりとすぐ書いたのですがもう1曲は1度書いてから数日かけてあれこれ修正したりでなんだか時間がかかりました。
コンサートの前々日に2時間だけリハーサルをすることになったのですが、小曽根さんは30分の遅刻。なぜかというと曲を書くのを忘れていて午前中に思い出して急いで書いていて少し遅くなったとのこと。なんと、この曲がもの凄く素晴らしい!!!こんな凄い曲をサラサラっと書いてしまうなんて、小曽根さんから出てくるものは全てが素晴らしい音楽なんですね。
本番は1部が小曽根さんのソロで2部がDuo。僕の新曲2曲と小曽根さんの新曲1曲、スタンダードを2曲、アンコールにもスタンダードをと思っていたのですが急遽僕のアルバムで小曽根さんにDuoで演奏してもらった僕のバラードをやることになりました。
Duoの1曲目は僕の新曲でしたが、これがなかなか緊張しました。でもだんだんと小曽根さんの音も自分の音も、その場のその瞬間の音楽も聞くことができるようになって、最終的にはとても楽しかったです。今回の僕の目標は自分が楽しいと思える事、でしたのでそういう意味ではよかったと思っています。もちろん足りない事や出来ない事、失敗した事やミスも多々ありますが、でもそれらを全て含めて、楽しいと思えました。少しは小曽根さんと音楽で会話ができたような気がしました。
まあ、小曽根さんとDuoをやる時点で僕が今更カッコつけたり気負ったりしても無駄だという事がわかっていました。これは今までのおつき合いからわかっていることです。僕がどれくらい吹けてどれくらい吹けなくて、どれくらい音楽が分かっていてどれくらい分かっていないか、なんてもう十分にバレているからです。できないことをカッコつけて出来るふりをすることが一番やってはいけないことだと教えられてきたし、それがコミュニケーションできない原因になることもここ数年で理解しました。とにかく相手の音楽をよく聴いてそして自分もその中に入って行く。そこで出来るだけ会話をする。これしかやるべき事はありません。開き直る、とも言うのかもしれませんが。。。そしてこの会話、僕は小曽根さんとしていたように思っていたのですが、小曽根さんはお客様もそこにしっかり参加させるというベクトルなのかエネルギーなのか。そのために聴いてくださっているお客様も僕らの会話を楽しめるようなんです。これが小曽根さんのマジック、じゃなくて魔力?なんだろう、不思議な力なんです。
演奏後は小曽根さんからも楽しかったよと言っていただきとても嬉しかったです。そしてアドバイスも、言葉で頂いたことと、演奏を通して頂いたこととあり、また次へのエネルギーになりました。
そしてそれから10日ほど経った今日、とある事で連絡をとった際、今回書いた曲についてアドバイスをいただきました。言葉では気を使ってくださり表面上は軟らかいアドバイスですが、内容としてはまさにぐさっと痛い所を指摘されました。でも本当にその通りでまさに全てお見通しなんです。僕が普段曲を作る時にあるコンプレックスと自覚はしていないつもりだけど多分自分の中にあるよくないポイントをまさにグサリ!もちろんそれを解決するためのヒントもいただけました。
今回のDuoを経験して改めて小曽根さんの凄さを身を以て感じました。プレイはもちろんです。プレイだけではなく、とにかく何に対しても、例えば曲に対しても僕のプレイにも、最初から絶対にNoと言わないのです。結局2曲とも新曲をやっていただいたし、「ここのコードはこっちの方がいいけどコンちゃんにはこう聴こえてるのならこうしたらどう?」とか「こう転回したほうが物語になるんじゃないかな?」とか。本当はこの曲は人前では演奏できないよと思われたのかもしれませんが、とにかくやる、とにかく僕のことを尊重してくださるのです。その上で経験としてアドバイスをくださる。これが「会話」なのですね。
次にまた小曽根さんとDuoをやらせていただける機会がこの先あるかどうかわかりませんが、ぜひまたやってみたい。
本当に素晴らしい経験をさせていただきました。小曽根さん、Girl Talkの笹ノ間さん、スタッフの皆さま、ありがとうございました!
そしてお越しくださった沢山のお客様、本当にありがとうございました。
音楽鑑賞会
2013年02月21日 木曜日 3:13 by "kazkondo"
中村健吾、松本茜というトリオで3日間東北に行ってきました。
1日目は仙台の安田智彦さんが主催する仙台ジャズスクールでのLive。集客、ライブ前の牛タン、打ち上げの焼き肉、そして駅からの移動と、何から何まで今回も安田さんにお世話になりました。そしてスクールのスタッフのみなさん、なによりお越しくださったお客様、本当に感謝しています。ありがとうございました。とても温かな雰囲気でこちらも楽しく集中して演奏することができました。
2日目からは同じ宮城県ですが栗原市の中の小中学校の音楽鑑賞会でした。2日とも午前と午後に1校ずつ、計4校を訪れました。
今回のこの仕事を紹介してくださったのは、南三陸の志津川高校で音楽の先生をされている正木さんという方で、2010年に栗原市金成のけやきホールで僕のカルテットでコンサートをやらせていただいた時に大変お世話になった方なのですが、志津川高校といえば震災の後、校庭にSOSの文字を書いてTVで報道されたあの学校です。正木さんのお住まいも津波に流されたそうです。震災の後、何度かメールや電話を入れておいたのですが、しばらくたって連絡をいただきご本人に無事と現状などを報告していただきました。その後何度かメールや電話でお話したのですが、実際にお会いするのは震災後始めてだったので、顔を見た時にはとても嬉しかったです。「あのSOSのSの字、最初逆向きに書いちゃったんですよ。あはは。」なんて笑いながらさらっと話していましたが、当事者の方のもの凄い体験談ですよね。
学校の鑑賞会の演奏をやるといつも子供達から大きな力をもらうのですが、今回もどこの生徒さんたちも本当に真剣に聴いてくれて、また大きなエネルギーをもらうことができました。
今日最後に訪れた小学校は震災の時に校舎がかなりのダメージを受け職員室や校長室も教室も全て仮設の平屋で今年新校舎を建設するとのこと。やはり現地に行ってみると震災の被害を実感しますね。栗原市は3.11の震災で震度が一番高かったところですし、2008年にも同じくらい大きな地震があったのですが、家屋の倒壊はほとんどなかったようです。でも倒壊はしなくても今日の小学校のように使い物にならなくなった建物はきっといくつもあるのでしょう。
仙台の安田さんや南三陸の正木先生の話しを聞いて、報道されていない当時の状況をたくさん知ることができました。1日も早く細かな復旧を政府にちゃんとして欲しいです。
学校の仕事は夕方には終わってしまうので学校1日目夜は金成の延年閣という温泉に3人で行って命の洗濯をしてきました。一緒に風呂に浸かり(もちろん茜ちゃんは女湯です。。。)酒を酌み交わし仲間の大切さをひしひしと感じ、とてもいい時間を過ごしました。一緒にツアーに行ってくれた健吾、茜ちゃんに感謝です。ありがとう!そして栗原市教育委員会の三浦さんをはじめ、今回の公演に携わって頂いた皆さまに心から感謝します。ありがとうございました。
小学生が朝10時からめちゃ遅いテンポのどろっどろのBluesを聴いて何を感じたのだろうか。大丈夫だったかな?今頃変な夢見てなきゃいいけど。。。
いきいき
2013年02月14日 木曜日 0:39 by "kazkondo"
今年こそマメにここに書こうと思ったのにもう2月半ば。。。やはり無理にやろうとしても出来ないことは出来ないみたいですね。
今日は八丁堀にある「いきいき桜川」という、地域の60歳以上の方のコミュニティーセンターで、バレンタインジャズコンサートとして演奏しました。ドラムレストリオで、メンバーは秋田慎治(p)、中村健吾(b)という豪華さです。
そのコミュニティーセンターに登録している方だけが来れるということでスケジュールには出せませんでした。
沢山の方々にお越しいただきました。
事前にリクエストもいただき、僕は普段ほとんど演奏しないような曲を含め、全曲超有名スタンダードのみの演奏です。有名な曲ってメロディーを間違えられないので気を使いますね。
皆さん本当に熱心に聴いてくださりとても喜んでいただけたようで嬉しかったです。
ちょうど2、3日前に田舎に帰り両親、兄弟、その家族で、近くの温泉宿に泊まりに行き、久しぶりに家族全員に会うことができ、年老いた両親ともゆっくりと会うことができました。もうかなりの高齢のため週に何日かはデイケアにお世話になっているようで、月日の流れを身を以て実感しました。それもあってか、今日はなんだか自分の親に対して演奏しているような気持ちになりました。とはいっても今日はお元気な方ばかりでしたし僕の両親よりもお若い方ばかりだったのでしょう。
超有名スタンダードとはいえ、Star DustやMoanin’、Tenneessee Waltzといった曲目を言っただけでほとんどの皆さんが「あぁ〜」と反応してくれます。やはりジャズは昔はたくさんの人が耳にする音楽だったんですね。今の若者の前でこれらの曲を言っていったい何人の人が反応してくれるでしょう。まあそれが時代の移り変わりなのでしょうが。。。
いいものはジャンルを問わず残していきたいですね。
今日の我々の演奏で自分の若かりし日やある時の出来事なんかを思い出してもらえる方がいたらいいな、と思いました。
季立、Body&Soul
2013年01月07日 月曜日 3:25 by "kazkondo"
仕事始めは元旦の午前に済ましましたが、本格的なLive始めは、昨日5日銀座「季立」でした。昨年からやっている中村健吾(b),秋田慎治(p)とのトリオです。一応私がリーダーですが、3人だと誰がリーダーとかかあまり関係ないかもしれません。
このトリオは健吾くんが帰国してから定期的にずっとやっていたDuoをもう少し彩りをつけようと慎治くんを巻き込んだのですが、これが面白くて、今年はもう少しこのトリオをやる機会を増やそうと思っています。もちろん健吾くんとのDuoは別に続けるつもりです。
いろいろな組み合わせのDuoやTrioがありますが、BassとPianoとのTrioは聴いてる側もやる側もいろんな意味で安心できますよね。 コードレスの編成も好きなのですが、ボトムとコードがあるとやはり華やかさが出ます。
季立には毎回たくさんのお客様がお越しくださるのですが、昨夜は近くで演奏していたKazukoBabaさん(p)、佐山雅弘さん(p)、里見紀子さん(vln)、浜崎航くん(sax)、が遊びにきてくださいました。演奏を終えたミュージシャンが集まるお店というのは素晴らしいですね。なんだか今は無きNYのBradley’sを思い出しました。
そして新年Live2日目は、本日6日、私のホームグラウンドともいうべきBody&Soulで、守屋純子(p)6tet。岡崎好朗(tp), 駒野逸美(tb) ,中村健吾(b) ,Gene Jackson(ds)に私というメンバー。いつもは片岡雄三(tb)くんがやっていますが今回はめきめき頭角を現している若手のホープ駒野さんが参加してくれました。それぞれがスペシャリストですから演奏はもちろん充実していました。とても楽しかったです。
そして演奏後、Blue Noteで演奏していたJason Moran(p),Reuben Rogers(b),Eric Harland(ds)の3人がボディに遊びに来てくれました!こちらはもうすっかり演奏が終わって楽器も片付けてしまっていたためセッションにはなりませんでしたが、なんとも豪華な顔ぶれです。そこにGeneさんも加わると、なんだかNYにいるようです。
実は2009年の夏に同じBody&Soulの企画でReuben Rogers,Eric HarlandにTaylor Eigsti(p)のトリオに僕と好朗くんがフロントでLiveをやらせてもらったことがありました。その時のことはこのHPの「Past BBS」の2009年8月の所に書いてありますが、今思い出しても身震いするくらい、もの凄く刺激的で恐ろしくて楽しくて,,,自分にとってとても大切な特別な経験でした。Reubenはその時のことをちゃんと憶えていてくれて、名前も憶えていてくれました。とても嬉しかった。
それ以外にも今日は横山和明(ds)くんや須川崇志(b)くんも遊びに来てくれて、昨日同様、ミュージシャンが集まるお店をとても嬉しく思いました。
昨日も今日も、そこに自分が居れることをとても幸運に感じました。いつまでもこんな素晴らしいミュージシャンたちと一緒に演奏できるように、もっともっと精進しなければ、と強く感じました。
謹賀新年
2013年01月03日 木曜日 17:44 by "kazkondo"
明けましておめでとうございます。
なんと久しぶりの書き込みでしょう。
TwitterやFacebookにちょこちょこ書いてしまうとどうもこちらに書くのが億劫になってしまいます。
でも本当はTwitterやFacebookの書き込みは流れてしまって後で読み返せなくなるんですよね。
というわけで、今年こそこのBlogにちょこちょこ書いていこう!と思っています。
でもはたして読んでいただける人がいるのかどうか。。。あまりの更新のなさですから仕方がないですね。
さて、今年の仕事初めは、1月1日愛知県岡崎市での岡崎市新年交礼会での演奏でした。
守屋純子(p)セクステット<近藤和彦(as) 納浩一(b) 岡崎好朗(tp) 片岡雄三(tb)小山太郎(ds)>(写真左から)写真は小山太郎氏より。
どうでしょう?日の丸に金屏風。ジャズを演奏してるようには見えませんよね。3000人入る岡崎市武道館にほぼ一杯の皆さまの前での演奏でした。市の新年恒例会に毎年これだけ沢山の市民の方が集まるのは今時全国でも大変珍しいのではないでしょうか?メインはもちろん我々ではなく、演奏はあくまで「アトラクション」。ですから控え室にも「アトラクション控え室」と。なんとなくマジックショーや着ぐるみキャラクターみたいな。。。いえいえ、こんなおめでたい場で演奏させていただけるだけで光栄です!
午前7:30からサウンドチェック&リハーサルで10:00から本番。というわけで大晦日のうちに岡崎市に前のりし、メンバーで軽く飲んだ後はビジネスホテルでの年明け。これもまた人生の1ページですね。しみじみと改めて、これまでのこと、これからのこと、いろいろ一人で考えながらの年明けができました。
演奏を終えてそのまま帰京し、その足で毎年元日の恒例行事としている明治神宮へ初詣とご祈願に行ってきました。
ちょっとボケてしまいました。。。毎年、最初にこの大太鼓を叩いてご祈願して最後に神楽倭の舞を見て、背筋を伸ばして新年が始まります。
まあ、毎年元気にそれができること自体が嬉しいことなんです。
こうして始まった2013年ももう3日目。
今年の目標は2枚目のアルバムを作ることです。
まだ何も計画していませんが、できれば今年後半にレコーディングしたいと思っています、、、が、あくまで目標です。それまでに曲を書かなきゃ。。。焦らずじっくり考えます。
もちろん1回1回の演奏を一番大切にしたいと思います。
今年も1音1音、丁寧に心を込めて、音楽を創っていこうと思います。
本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
2013年1月3日
近藤 和彦