Archive

You are here now : Home / 2014 / 10月

Paquito D’Rivera

2014年10月06日 月曜日 23:30 by "kazkondo"

BlueNoteにPaquito D’Rivera氏を聴きにいった。若い頃ちょこっとだけ聴いた時期があったが、思うところあってずっと避けてきた。もちろんたまたま耳にすることも氏の曲を演奏するのに資料として聴くこともあったが、CDを買ったりする事はここ20年以上なかったし、生演奏を聴きに行ったのも旧店舗のBNの頃、1990年頃だったかなぁ、まぁこれも25年くらい前のこと、いや2006年のNYのIAJEでオーケストラとモーツァルトをやったのを聴いたことがあったか。僕はどちらかというと氏のクラリネットが好きだった。
自分が50歳を過ぎ、いろいろな事を整理したり自分の進もうとする方向がだんだんと見え始め、周りからの評価や意見にあまり翻弄されることなく冷静に耳を傾けることが徐々に出来はじめたような気がする今、なんとなく肩の荷物が少し軽くなってしがらみやら嫉妬心なんかが前よりも楽になったと感じられる今、改めて氏を聴いてみたくなったのである。しかもグリグリのラテンジャズではなくブラジルのトリオと一緒だというのも魅力的だった。
直前に、もしかしたら、と思って小曽根さんに連絡をしてみたらちょうど行くところだということで、ご一緒させていただいた。
いやはや、さすがの演奏だった。音楽も人間もとても明るいのだが、常に品がある。自分の聞き方が変わったのかパキートさんがお年を召されたのか、本当は昔からそうだったのか、、、とにかく今は品を感じる。アルトに関しては自分の嗜好もあるので全てに憧れるというわけではなかったが、それでも音楽としてのテクニックもフレーズも歌も本当に素晴しい。クラリネットはもう見事というほかはない。いや、クラリネットは心から感動した。明るさとその奥に聞こえる切なさ。心に沁みわたった。
アンコールで来られていた貞夫さんを紹介され、そしてサプライズで小曽根さんを引っ張ってステージへ。引っ張っていかれる時にパキートさんが小曽根さんに伝えた曲ではないモーツァルトが始まった。いや〜、本当に素晴しかった!
お二人の音楽に対する深さと楽しさと余裕とユーモア、そしてその奥にある今まで積み上げて来られたそれぞれの努力と経験、ほんとに素晴しい演奏だった。思わず熱いものがこみ上げてきた。小曽根さんは若い頃パキートさんのバンドで働いていた事があるそうだが、やはり大きな影響を受けたに違いない。常に聴いている方全てを楽しませ満足させることを大切にされている小曽根さんの演奏の原点はもしかしたらパキートさんの影響が大きいのかもしれない、とお二人の演奏を聴きながら感じた。
聴きに行って本当によかった!

小曽根6@Body&Soul

2014年10月02日 木曜日 23:59 by "kazkondo"

私のホームグラウンドでもあるBody&Soulで、お店の40周年、そして改装オープン記念として小曽根真さん3daysの2夜目、セクステットで演奏をしました。

昨年下丸子で僕のセクステットをやらせていただきとても充実した演奏でぜひまた同じメンバーでと思っていたところに、NHKFMのセッション2014への出演依頼を受けたのですが、ピアノの片倉真由子さんがなかなかスケジュールが合わなく、せっかくゴールデンウイークなので何かスペシャルな事ができないかと、超多忙の小曽根さんにダメもとでお願いしたところ快諾していただきました。普段の小曽根さんご自身のお仕事の条件など、本当に無理を聞いていただきました。フィーチャリングするとはいえあの小曽根さんをサイドでお願いするというのは物凄いプレッシャーでした。

その時のバンドのサウンドを小曽根さんがとても気に入ってくださり、またやりたいね、というお言葉通り、昨夜それが実現しました。ボディで3daysやる1日をあのバンドでやらないか?という大変光栄なお言葉をいただきました。
しかし、前日になっても小曽根さんから連絡が無く、曲はどうしたらいいのか、前回は自分がリーダーでしたから全て自分で譜面を書いて準備しましたが、今回は小曽根さんがリーダーです。一応前回やった曲に何曲か書き増やして当日リハへ。
なんと2曲!小曽根さんは譜面を書いてくださいました。一曲は一昨年小曽根さんとDuoのコンサートを水戸でやらせていただいた時に小曽根さんが書き下ろしてくださったソプラノ用のバラードで、ぜひまた演奏したいですという僕のリクエストを憶えていてくださり、それを昨日のために朝3管用にアレンジしてくださったのです。そしてもう一曲は小曽根さんがクリスチャンマクブライド、ジェフワッツという超重量級のトリオのために書かれたTake the “TAIN” Trainという、ものすごい難しい曲…まさかこの曲を持ってくるとは思いもしませんでした^_^;

1st Setは、Chick’s Tune、Caravan、Sweet & Pungent、新曲のバラード、Tain TrainにアンコールでMoanin’
2nd Setは、Popcorn Explosion、Caravan、The Sixteenth Night、Chick’s Tune、新曲バラード、Tain Train、 アンコールは応援に駆けつけてくださった伊藤君子さん、安カ川大樹くん、Tokuちゃん、国立音大で小曽根さんが教えているフルートの片山くんが参加してJust In Time、そしてチャリートさんの参加でSunny、最後はレギュラーメンバーでBody & Soul、という3曲の豪華なアンコール。
1stからもちろんスゴい演奏でしたが2nd Setに入るとついに小曽根さんのエンジンが全開、それはもう壮絶な演奏でした。そのエネルギーに感化されてみんな凄い演奏でした。特に大坂くんと小曽根さんのやり取りはこれぞ世界レベル!NNHで先月は約1ヶ月、小曽根さんの演奏をステージの上で聴いてきましたが、昨日の演奏はなんだか凄すぎて恐ろしい、目眩がするほどでした。別な星の生きものなんじゃないかと思ってしまうほど。実はあの方、ホルモン星人なんですが…
小曽根さんと一緒にステージに立つと常に沢山の事を学ぶことができますが、昨日も本当に沢山の大切な事を音、その場の音楽で教えていただきました。そして沢山の宿題もいただきました。

このような機会を与えてくださった京子ママ、小曽根さん、スタッフのみなさん、参加してくださった最も尊敬するサックスプレイヤーの山口真文さん、いつも一緒にやってくれている健吾、大坂くん、好朗、駆けつけてくださったペコさん、チャリートさん、Toku、安、柴亮、片山くん、そしてなにより演奏を聴きに来てくださった沢山のお客様、本当にありがとうございました!

因みに終演後は3時過ぎまで尽きない音楽談義で盛り上がりました。ママ、遅くまですみません…

またぜひ同じメンバーでやりたいです!出来ることならこのセットで旅に行きたいです!
それまでにまた宿題やらないと…ちゃんと練習しよっと。

*写真は全てBody&SoulのHP、ママのデイリーレポートから拝借いたしました。
こちらにもママの温かいレポートがあります。ぜひご覧ください。

http://www.bodyandsoul.co.jp/2014/10/2858