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Schedule

2011年08月24日 水曜日 2:45 by "kazkondo"

9月までのスケジュールをアップしました。

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お盆@Body&Soul

2011年08月18日 木曜日 2:12 by "kazkondo"

お盆のど真ん中の8月15日、レギュラーメンバーによる私のカルテットのライブがありました。

お盆の月曜日にも関わらず沢山のお客様にお越しいただきました。ありがとうございました!

そしてなんと、この日は私のCDのプロデューサーでもあります小曽根真さんが奥様の三鈴さんと共に遊びに来てくださいました。CDを出してからなかなか予定合わずライブに来ていただけなかったのですが、やっと実現。数日前から「15日は行くよ」と言われてて嬉しい反面ドキドキで緊張でした。

せっかくの機会ですからCDで弾いていただいた曲から2曲、「The Sixteenth Night」と「From Doctone」をお願いしました。「The Sixteenth Night」はCDでもDuoで演奏していますのでこの日もDuoで。めちゃくちゃ緊張で脇汗タラタラです。

でもイントロの1音ですっと空気が変わりまるで別世界へ。いったいどうなってるのでしょう?そのまま導かれるように吹き始めてあれよあれよという間にどこかに連れていかれます。本当に不思議です。

以前のNNHのツアーの時もステージ毎で一人ずつDuoのコーナーがあったのですが、小曽根さんとDuoをやるとまるで自分が上手くなったような気がしてしまうのです。何処かに連れていかれるような。でもこちらが自分よがりに吹いていては連れて行ってはもらえないんですよね。ピアノをよく聴いていると「ほら、こっち。こう吹きたいんじゃない?じゃ次はこっちだよ。」みたいな。自分が吹いたことにうまくつけてくれるような気がするけど実は吹きたいことを一瞬先廻りしてその先を教えてくれるような。。。。不思議なんです。

でもまだまだ私はもちろん対等になんかやりとりはできせん。これがたとえば昨年のオーチャードのコンサートのようにブランフォードマルサリスさん級になると、もう本当に二人でどこまででも行っちゃうんですよね。まるで手品を見ているような。音楽ってこんなにも自由で楽しくてどうにでもできるんだって。でも「自由でどうにでもできる」には並大抵の実力ではできないんです。もともと天才が人の何百倍も努力をしてから辿り着く領域なんでしょうね。

まあそんな高い次元ではないにしても久しぶりの小曽根さんとのDuoは本当に素晴らしい体験でした。もっともっと練習してもう少し自由に会話ができるようになりたいなぁ。

そしてアンコールは、なんとこれまた遊びに来てくださいましたTpの木幡光邦さんにも加わっていただきホレスシルバーのThe Preacherという楽しいナンバーで盛り上がりました!木幡さん、ありがとうございました!そしてレギュラーピアニストの今泉さんと小曽根さんでくんずほぐれつの連弾!楽しかった〜!

ジャズって語学と似てるかもしれませんね。独りでいくら勉強してても実際に話しをしないと喋れるようにはならないし、かといって勉強しないといつまでも喋れないし。少し喋れるようになると自分のたどたどしい言葉につき合って話してくれる相手ならなんか喋れるようになったような気になる。相手の言葉も聞かず自分の憶えた言葉だけを自分勝手に喋っても会話にはならないし相手も諦める。知識と実力がどんどん身に付けば深い話しもできるし自由に話せるようになればどんなふうにも会話は発展させられる。自由に喋れるようになりたいなぁ。

凄い人たちのバンド、例えば以前やっていた小曽根さんのザ・トリオとか、バンド全員が対等に自由に話しができるんですよね。だからバンドごとどこにでも行けるしすっと戻れるし。ほんとに手品みたいでした。

私が絶大な信頼と尊敬をしているレギュラーメンバーの今泉正明さん、上村信くん、大坂昌彦くん、いつも助けていただいています。ありがとう!そして遊びに来ていただいた木幡さん、奥様の玲名さん、嬉しいお言葉と写真を頂いた音楽ジャーナリストの中川ヨウさん、そして常に向かう先を照らしていただける小曽根さん、三鈴さん、ありがとうございました!そしてそして、たくさんのパワーと勇気を送っていただいたお越しくださったお客様、本当に感謝します。ありがとうございました!!!

頑張ろっと!

そういえば小曽根さんに弾いていただいたもう1曲の「From Doctone」は亡くなったケニーカークランドさんに捧げた曲ですが、ライブが終わって京子ママが「ケニーが来てたみたいね」って言っていました。喜んでくれたかな?そういえば亡くなってもう13年も経つんだなぁ、と彼との思い出を久しぶりに蘇らせました。でもお盆って外人も戻ってくるの???

写真は中川ヨウさんからいただきました。連弾中の小曽根&今泉、それに喜ぶ私たち。

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じゃじゃ麺

2011年08月12日 金曜日 15:23 by "kazkondo"

ボーカリストのmegさんの東北ツアーに行ってきました。

昨年自分のカルテットでもお世話になった盛岡すぺいん倶楽部、秋田キャットウォーク、そしてmegさんの出身地の秋田県大館市、さすがに東北地方はmegさんのお膝元、どこも沢山のお客様で盛り上がりました。

そんな中、旅の楽しみの一つは食事です。

特に盛岡は好きなものが沢山あるのですが、とりあえずはすぺいん倶楽部の目の前の「食道園」の冷麺(写真上)。盛岡には冷麺の美味しいお店は数々ありますが、ここ食道園は盛岡冷麺の本家本元、発祥のお店で昭和29年創業ですから60年近くも味と人気を守っているお店です。ダシも麺も抜群です!昨年の僕のカルテットの時はリハをちゃっちゃと切り上げ4人でいただきましたし、今回もmegさん以外の東北地方で活躍されている北田了一(p)さん率いるトリオの皆さんとリハ後揃っていただきました。ここ、お肉も相当美味しいらしいので次回はぜひとも肉焼きたいと思います。

そして盛岡でもう一つ外せないのが「じゃじゃ麺」。2008年のmegさんのツアーで初めて食べて以来はまってしまい毎回食べています。昨年の僕のツアーの時は駅ビルの麺屋のじゃじゃ麺を食べた大坂くんと今泉さんには大不評でした。じゃじゃ麺自体かなりB級グルメ的なものなのでお店によって相当味が違うのでしょうね。

というわけでじゃじゃ麺と言えばやはり「白龍(パイロン)」!

うどんのような麺をかなり柔らかめに茹で、その上にキュウリ、ねぎ、秘伝特製肉味噌、おろした生姜、紅生姜がのってきます(写真下左)。それをぐちゃぐちゃに混ぜ、そこにラー油、酢、ニンニクをかけて頂きます(写真下真ん中)。

見た目はとても美味しくなさそうでしょ。ところが不思議な食感と不思議な味。癖になるんです、これが。

そしてもう一つ儀式があって、食べ終わったお皿にテーブルの上の生卵を割り、皿にこびりついた味噌をかき集め卵と混ぜてカウンターに乗せ「お願いします」っていうと、そこに茹で汁を入れ味噌とねぎを追加して「ハイよ、ちーたんたんお待ちどう」って返ってきます。「ちーたんたん」という卵スープのできあがり(写真下右)。お好みで胡椒などで味付けしていただきます。

まあこれってご飯食べ終わった茶碗でお茶飲むとこびりついたご飯粒がとれて洗うのに楽になるのと同じような気がしますが。。。まあ儀式だと思えばね。

この白龍って店もデパートみたいなのの地下にできた綺麗なとこにも行ってみたけどやはり本店がだんぜん美味いです。ここも食道園同様創業60年くらいみたいですね。

やはり頑固に自信もってこだわってやっているお店はいいですね。もう少しいえば、その頑固さが押し付けがましくないのが素晴らしいです。押し付けがましくないからこそが長年人気を保つ秘訣でしょうか。謙虚さを忘れず時代に流されないこだわりに安心感と魅力を感じます。私もそうありたいものです。

しっかし、どちらも美味かった!

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真夏の夜のジャズin葉山

2011年08月07日 日曜日 8:11 by "kazkondo"

久しぶりの小曽根真 No Name Horses、昨年の12月のオーチャードホール以来の演奏でした。
数年前に熱帯で度々出演した葉山マリーナでのジャズフェス、暫くポップスのフェスになっていたようですが、今年から新たにユニバーサルレコードが主体のジャズフェスに生まれかわりました。
大西順子さんや山中千尋さん、ハクエイキムくん、アマンダブレッカーさんらの素晴らしいバンドの後、我々NNHがトリの演奏をしました。
久しぶりのNNHは相変わらずの濃い内容でしたが、今回の目玉はなんといっても今や人気絶頂の青山テルマさん、クリスタルケイさんとの共演。
最初に彼女たちと共演することを聞いた時にはポップスを歌う彼女たちといったい何をやるんだろう?小曽根さんは何をたくらんでるんだろう?と疑問でした。まさかNNHでポップスの歌伴?
本番前日のリハーサルでその謎は解けました。
青山テルマさんはエタ・ジェイムスのAt Lastを、そしてクリスタルケイさんはドリス・デイが歌ってヒットしたShanghaiを途中美空ひばりさんが歌った日本語バージョン入りで、そして2人でジョン・ヘンドリックスが歌った超高速早口言葉のようなCloudburstを。
いやぁ、ビックリでした。テルマさんはブルージーでゴスペル歌手のよう。最初は静かに徐々に盛り上がって最後はバンドを仕切っての絶叫!思わず鳥肌です。ジャズ界ではかなりアクの強いNNHを子供のような細い身体の彼女が完全に仕切っての歌い上げ。あっぱれです!
そして大人の女性を感じさせるような色気のある歌のクリスタルケイさん。これまた歌伴とはいえ容赦しないクセの強い(!?)小曽根さんアレンジの曲をすーっと余裕な感じで歌います。
そしてCloudburstはほんとに素晴らしかった。小曽根さんのこれまた容赦なき超高速で、早口言葉のような歌詞を歌いまくり。二人のコンビネーションがバッチリなんです。
彼女たちが凄いのは歌う度にどんどんよくなり本番がいちばん素晴らしいこと。リハから何度か歌って本番にむけて完成度を高めていく、たぶん相当練習して集中しないとできません。ましてやあれだけの人気なのに自分のレパートリーは一切歌わず、いわば人の曲で、初めて生のビッグバンドで、しかもよりによってNNHで、聴いてるお客さんやバンド、スタッフを満足させてしまえる
こと。
たぶん今回の共演で彼女たちももっとジャズが歌いたくなったでしょうし、ジャズ界にもひとつの新たな朗報となるのではないでしょうか。
彼女たちの努力と集中力にとても勉強になりました。
たぶん近い将来彼女たちとの再演があるでしょう。
楽しみです。
写真はリハーサルでの一コマと隣の暑そうな正典、そしてサックスセクション全員で…のはずですが、あれモッチーさんは?

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試験

2011年08月02日 火曜日 23:17 by "kazkondo"

僕が教えている昭和音大もやっと前期の実技試験が月曜から始まりました。

ということはまだ夏休みではないということ。

洗足や国立などはもうだいぶ前に夏休みに入ってるらしいのに。

可哀想な学生くんたちと我々先生たちです。

僕は普通の大学の理科系学科だったのでもちろん実技試験なんてありませんでしたので実技試験の採点をすることがとても難しく感じます。

生徒はひとりひとり順番に部屋に入って20人くらいの先生たちの前で演奏してそれを採点するのですが、きっと緊張しますよね。

ホールなど大勢の前で演奏するよりも20人くらいの前で表情が丸わかりのような至近距離で演奏するほうが僕は緊張します。

しかも何曲もではなくたった1曲をたった1回だけ。

オーディションのようなものですね。それを少なくとも年に2回もやるなんて。

でも音大生はそういう経験を学生の時から沢山積むことにより将来人前で演奏する時に冷静でいられるようになるのかもしれません。

音大生って大変ですよね。

で、その試験ですが、演奏に点数をつけていくのです。100点満点で何点って。演奏した音楽に点数をつけるんですよ。

物理や数学なら正解がはっきりしてるし問題を解く方法の違いで点数が変わるくらいならまだわかります。論文や作文や絵は物質だから見なおしたり読みなおしたりもできる。でも音楽はその場のその瞬間だけのもの。

自分の楽器ならまだ点数も付けやすいけど、例えばドラムの試験で、しかも曲がジャズではなくポップスやロックの場合、ずーっと同じ8ビートのパターンを叩いているものにどうやって点数をつけたらいいのでしょう。

もちろんリズムが安定しているとかが判断材料だし、音量感や音色も重要ですが、でもはっきりした基準はありません。

そうなると、なんか気持ちよかったとか叩いてる表情がよかったとか、「感覚」に頼って点数をつけるしかないのです。

でも聞いていて気持ちいい演奏って何をどう練習したらいいのでしょう?

僕は自分の演奏に「上手ですね」とか「凄いですね」なんて滅多に言われないけどたまに「気持ちよかったです」とか「涙が出ました」なんて言われるとこちらがその言葉に感動してしまいます。

音楽はテクニックも必要ですがそれよりも大切なことってあると信じています。

人を感動させることを目的に演奏したり練習したりすることってなにか違うと思う。

こちらが音楽の中に入っていって何かを期待したりせず一生懸命に演奏した時、聴いてる人は初めて「感動」してくれるのではないかと思っています。もちろん独りよがりな演奏ではそれは産まれないでしょうが。

学生の試験を通じて「なんか気持ちいい」ってなんだろうって考えています。

難しいことを追求するのではなく「気持ちいい」ことを考えるほうが自分には大切なんじゃないかって。

っつーか、難しいことができない言い逃れなのかもかもしれませんが。。。